$og_type = 'article'; $og_image = !empty($article['eyecatch']['url']) ? $article['eyecatch']['url'] . '?w=1200&h=630&fit=crop' : ''; $og_published_time = $article['published_date'] ?? $article['publishedAt'] ?? ''; 共感で選ばれるナラティブ採用は、何から始めるべきか | TRANSIT DESIGN INC.

共感で選ばれるナラティブ採用は、何から始めるべきか

共感で選ばれる採用は、発信から始めるとうまくいかないことがあります。最初に必要なのは、組織の中で当たり前になっていて、まだ言葉になっていない働く意味を見つけにいくことです。ナラティブ採用の考え方を踏まえ、何から始めるべきかを解説します。

CONTEXT

共感で選ばれる採用をしたい。
けれど、何から始めればよいのかが見えない。そんな会社は少なくありません。

採用広報を強化したい。社員インタビューも増やしたい。採用サイトも見直したい。
条件だけではなく、価値観や働く意味で選ばれる採用が大事だと言われると、その通りだと思う。
ただ、いざ自社でやろうとすると、何を掘り、何を言葉にし、どこから整えればよいのかが分からない。結果として、まずは記事をつくる、動画を撮る、SNSで発信する、といった“見せるための施策”から入りたくなります。

もちろん、それらが必要な場面もあります。
ただ、共感で選ばれる採用は、発信から始めるとうまくいかないことが少なくありません。
なぜなら、候補者に届く意味は、最初から外にあるわけではないからです。

私たちは、こうした採用のあり方を「ナラティブ採用」と捉えています。
ナラティブ採用とは、会社をよく見せることではなく、組織の中にある働く意味や辞めなかった理由を掘り起こし、候補者にとって意味のある文脈へ翻訳する考え方です。

本当に最初に必要なのは、会社をよく見せるための素材を集めることではありません。
組織の中で当たり前になっていて、まだ言葉になっていない働く意味を見つけにいくことです。

どんな人が、なぜこの会社に残っているのか。
何に迷い、何に納得し、それでもここで働いているのか。
経営が大切にしていることは、現場でどんな実感として生きているのか。
そこが見えなければ、どれだけ発信を整えても、候補者の中で「この会社で働く意味」は立ち上がりません。

共感で選ばれる採用に取り組みたい会社が最初にやるべきこと。
それは、コンテンツをつくることではなく、組織の中にある物語の入口を見つけることです。

いきなり発信から始めない

共感で選ばれる採用に取り組もうとするとき、最初にやりがちなのは、発信施策から入ることです。
採用ページを整える。
社員紹介を増やす。
インタビュー記事を企画する。
SNSでカルチャーを見せる。

どれも間違いではありません。
ただ、そこから入ると、見た目は整っても、読み手の中で意味が立ち上がらないことがあります。

情報はある。
雰囲気も悪くない。
人も良さそうに見える。
それでも、「この会社で働く意味」までは伝わらない。
結果として、「いい会社そうですね」で止まりやすくなります。

共感で選ばれる採用に必要なのは、発信の量を増やすことではありません。
どんな意味を候補者に届けるのかを整えることです。
だからこそ、最初に着手すべきなのはコンテンツ制作ではありません。

たとえば、ある企業では採用サイトや社員インタビューはすでに整っていたものの、内容が「入社理由」「やりがい」「雰囲気の良さ」にとどまり、候補者の中で“この会社で働く意味”までは立ち上がっていませんでした。情報は十分にあるのに、辞めなかった理由や葛藤が見えないため、「いい会社そうですね」で止まりやすい状態でした。

最初に整理すべきなのは、「何を発信するか」ではなく、「組織の中で何がまだ意味として立ち上がっていないか」

共感で選ばれる採用に取り組みたい会社が、最初に見るべきなのは、すでに外に出ている情報ではありません。
むしろ、まだ出ていないものです。

どんな人が、この会社に残っているのか。
何に納得して、働き続けているのか。
何に違和感を持ちながら、それでも離れなかったのか。
この会社らしさは、現場のどんな瞬間に表れているのか。
経営が大切にしていることは、現場でどのように実感されているのか。

こうしたことは、社内では何となく共有されていても、言葉として整理されていないことが少なくありません。
そして、本当に必要なのは、こうしたまだ言葉になっていない意味を見つけることです。

つまり、最初にやるべきことは、「何を発信するか」を考えることではなく、
自社の中で、何がまだ見えていないのかを確かめることです。

掘るべきなのは、成功談より、辞めなかった理由の中にある意味である

共感で選ばれる採用というと、魅力的なストーリーを探そうとして、つい成功体験や前向きなエピソードに目が向きがちです。
もちろん、それらも大切です。
ただ、本当にその会社らしさが表れやすいのは、成功談だけではありません。

むしろ重要なのは、
なぜ辞めなかったのか。
何に迷ったのか。
どんな葛藤を経て、ここに残っているのか。
その中に、その会社ならではの価値観や関係性、意味の輪郭が表れます。

「入社してよかったこと」だけを聞くと、どの会社でも似たような答えになりやすい。
けれど、「辞めようと思ったことはなかったか」「それでも続けた理由は何か」と問いを深めると、その会社固有の物語が立ち上がりやすくなります。

最初から美しい話を集めようとしない方がよいです。
大切なのは、整った答えではなく、その人がその会社に留まった理由の奥にある納得や葛藤の文脈です。

経営の言葉と現場の実感を、別々に扱わない

共感で選ばれる採用がうまくいかない会社では、経営の言葉と現場の声が別々に存在していることがあります。
経営は理念や未来を語る。
現場は仕事のやりがいや人間関係を語る。
どちらも必要です。
ただ、それがつながっていないと、候補者の中で会社像はぼやけます。

取り組みの最初に必要なのは、この二つを別々の素材として集めることではなく、
どこでつながっているのか、どこでズレているのかを見にいくことです。

経営が大切にしている価値観は、現場でどんな形で感じられているのか。
現場の人が語る違和感や納得は、経営が描く方向性とどう重なるのか。
そこが見えると、候補者に伝わる言葉にも一貫性が生まれます。

必要なのは、理念をきれいに語ることでも、現場の雰囲気をそのまま見せることでもありません。
そのあいだにある文脈を見つけることです。

まずは「代表的な一人」ではなく、「複数の声」を集める

取り組み始めの段階では、つい「象徴的な社員」を一人選び、その人の物語から組み立てようとしがちです。
けれど、最初から一人に絞りすぎると、その人の個性の強さが前に出てしまい、組織としての輪郭が見えにくくなることがあります。

最初に必要なのは、ヒーローを見つけることではなく、複数の声の中から、共通して流れている意味と、立場によってズレる感覚の両方を見つけることです。

どんな人が同じような理由で残っているのか。
逆に、どんな点で感じ方が分かれるのか。
共通する価値観は何か。
部署や役割によって見え方が違うとしたら、それはなぜか。

こうした複数の声を見ていくことで、その会社に流れている物語の骨格が見えてきます。
ナラティブ採用は、一人の美談をつくることではなく、組織の中にある意味の流れを見つけることから始まります。

発信は最後に整える

ここまで来て初めて、採用サイト、社員インタビュー、動画、SNS、イベントレポートといった発信の役割が見えてきます。

誰に向けて届けるのか。
どんな理解を持ち帰ってほしいのか。
何を入口にし、どこで納得を深めてもらうのか。
この順番が見えれば、発信は単なる素材の出力ではなく、候補者との接点として意味を持つようになります。

逆に言えば、この整理がないまま発信だけ増やしても、ナラティブ採用にはなりません。
物語らしく見える記事は増えても、候補者の中で「この会社で働く意味」は立ち上がりにくいからです。

共感で選ばれる採用に取り組みたい会社が最初にやるべきことは、発信の準備ではありません。
組織の中で当たり前になっていて、まだ言葉になっていない働く意味を見つけにいくことです。

共感で選ばれる採用は、物語を見つけるところから始まる

共感で選ばれる採用に取り組みたいとき、最初にやるべきことは明確です。
それは、会社をよく見せるための企画会議ではありません。
働く人の中にある、まだ言葉になっていない理由や意味を見つけにいくことです。

なぜここに残っているのか。
何に納得しているのか。
何に迷いながら、それでも続けているのか。
その声を丁寧に掘ることからしか、ナラティブ採用は始まりません。

トランジットデザインは、こうした取り組みの出発点を、コンテンツ制作ではなくStory Miningに置いています。
なぜなら、物語はつくるものではなく、まず見つけるものだからです。

そして、その見つけた物語を、候補者にとって「自分ごと」として受け取れる文脈へ翻訳していく。
そこまで含めて、共感で選ばれる採用ははじめて機能します。

石村浩延

Written by

石村浩延

マーケティング・ファシリテーター

株式会社トランジットデザイン代表。 マーケティング伴走、採用・組織のストーリー設計、コンテンツ企画・制作を通じて、企業や地域、組織の見えにくい価値を言語化し、伝わるかたちへ整えることを仕事にしている。事業や組織の背景にある文脈を読み解き、営業・採用・発信などの接点をつなぎながら、実行につながる構造をつくることを得意としている。

まずは、現状を整理するところから。

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